金型の寿命を延ばす!修理とメンテナンスで生産性を向上させる方法
製造現場において、金型は製品品質と生産性を左右する中核的な設備・資産です。成形のたびに微細な摩耗や熱影響が蓄積し、やがて寸法精度の低下やバリの発生、表面不良、さらには破損へとつながります。こうした不具合は、不良率の上昇やライン停止を招き、コストや納期に直接的な影響を与えます。だからこそ、計画的なメンテナンスと、症状・原因・影響を正しく見極めた修理対応が重要です。適切な方法でメンテナンスを行うことで、金型の寿命を延ばし、安定した成形と品質の維持、ひいては生産性の向上が可能になります。
なぜ金型のメンテナンスが必要なのか?
寸法精度の低下(原因と影響)
原因:型部品の摩耗、熱による変形、ガイド部のガタ、クリアランス変化、潤滑不足など。
影響:製品の寸法バラツキ増加、組立不良、後工程での加工手直し増、歩留まり低下。
対応:定期測定による寸法確認、摺動部の調整・交換、クリアランス最適化、潤滑・冷却条件の見直し。
バリ・打痕の発生(原因と影響)
原因:刃先の欠け、合わせ面の当たり不良、型締力の偏り、成形条件の過大圧力。
影響:外観不良、追加のバリ取り工数、金属粉・樹脂かすによる二次不良。
対応:合わせ面のラップ・修正、刃先再研磨、型締条件・成形圧の最適化、ガイドピンの摩耗確認。
破損・欠損(原因と影響)
原因:長期使用による疲労、想定外の荷重、異物噛み込み、急激な温度変化。
影響:突発停止、部品脱落によるラインダウン、大規模修理や交換コストの発生。
対応:原因部位の分解診断、破損部品の製作・交換、予防のための清掃・異物管理と保全周期の見直し。
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キョーワハーツの「金型トラブル救急隊」が解決する課題
長年の経験と蓄積データに基づき、型の状態を正確に診断し、適切な修理・メンテナンスを行います。重要なのは、現物の状態確認とテストショットによる製品評価を組み合わせ、原因と影響を切り分けて対応方法を決めることです。
寸法が安定しない金型のオーバーホール
行う内容:分解・洗浄・摩耗測定・クリアランス確認・摺動部の調整、消耗部品の交換。
方法:主要部品の基準寸法を再確認し、ガイドやブッシュの状態を見極め、必要に応じて当たり調整。
期待される状態:寸法再現性の回復、ムラのない成形、検査工数の低減。
バリや打痕の発生を防ぐ調整
行う内容:テストショットで製品寸法・外観を確認し、合わせ面の浮きや刃先摩耗を特定。
方法:当たりの偏りを除去し、刃先のエッジを適正化。型締力・金型温度・樹脂圧の条件も併せて確認。
期待される状態:バリ・打痕の抑制、後加工レス化、安定した表面品質。
破損した部品の製作と交換
行う内容:破損部の原因を分析し、現物計測で寸法を復元。クリアランスを考慮した部品を新規製作。
方法:図面がない場合も、リバース的な測定で適合性を確認しながら交換を行う。
期待される状態:型全体の買い替え回避、コスト最適化、ダウンタイムの短縮。
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金型修理のプロセスと安心のサービス
金型のお預かりと診断
専門技術者が分解・診断を行い、状態・原因・影響を整理。測定結果に基づく見積もりを提示します。
修理・メンテナンスの実施
承認後、熟練技術者が工程ごとに確認を行う方法で進行。重要部の加工は適合性を逐次確認しながら実施します。
納品
問題点修理報告書、テストショットのサンプル製品と検査票、実測ベースの金型図面を同梱。見積もり金額以上の請求はありません。修理困難と診断された場合は、診断料(50,000円・税別)のみでご返却。修理着手時は診断料不要です。
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予防保全の考え方(寿命を延ばすためのポイント)
点検周期の設定:ショット数や材料特性に応じ、摺動・合わせ面・冷却回路の点検周期を設定。
清掃と潤滑:樹脂かす・金属粉・オイル劣化は不具合の温床。清掃・適正潤滑で摩耗と焼き付き発生を抑制。
冷却・温調の管理:冷却回路の詰まりやスケールは寸法安定性に直結。流量・温度を定期確認。
成形条件の見直し:過大圧・過剰保圧・偏った型締は型ダメージの原因。条件をデータで管理・最適化。
設計レビュー:再発が疑われる場合は、製品・型の設計意図と実際の成形を突き合わせて原因を特定。必要に応じて部品設計を見直します。
作業環境・安全対策の重要性
金型のメンテナンスは高度な技術を要する反面、作業環境と安全対策が品質と効率に大きく影響します。分解・組立・加工の各工程で、固定具・吊り具の適正使用、ロックアウト・タグアウトの徹底、切削・研磨時の防塵対策、適切な照明と温湿度管理は不可欠です。安全が担保されることで、安定した作業と確実な確認が可能になり、結果的に修理品質と成形の再現性が向上します。
「原因—影響—対応」をつなぐチェックリスト例
現象:寸法のばらつき → 原因:ガイド摩耗/温調不良 → 対応:ガイド交換・流量確認・温度安定化
現象:バリ発生 → 原因:合わせ面浮き/刃先摩耗 → 対応:当たり修正・再研磨・型締条件見直し
現象:打痕 → 原因:異物噛み込み → 対応:清掃頻度強化・搬送経路の異物管理
現象:破損 → 原因:疲労・過荷重 → 対応:局所形状/材料の適合確認・成形圧設定の是正
まとめ
金型のメンテナンスと修理は、製品品質・生産性・コストに直結します。状態を正しく確認し、原因と影響を科学的に捉え、的確な方法で対応を行うことが、寿命延長と安定成形の鍵です。キョーワハーツの「金型トラブル救急隊」は、分解診断からオーバーホール、バリ対策、破損部品の製作・交換まで、実測データに基づく確かな対応で、お客様の型を最適な状態へ導きます。金型に関するお困りごとがあれば、まずは診断からお気軽にご相談ください。
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