【第1部】 精密板バネ加工の真髄!カーリング加工の基礎・用途・材料選定と機能美
キョーワハーツの坂本留実です。
今回は【第1部】 精密板バネ加工の真髄!カーリング加工の基礎・用途・材料選定と機能美というテーマです。
1. カーリング加工がもたらす“隠された力”
スマートフォンや医療機器、自動車部品、OA機器、家電製品など、現代社会を支える先端機器。その内部では、目立たない小さな金属部品が高い精度で機能しています。
この目立たない部品の多くを支えるのが「カーリング加工」。
一枚の板金を美しく丸め、精緻な形に成形するこの技術は、見た目以上に高度で奥深いものです。
設計・材料・金型・加工現場のノウハウを結集するカーリング加工は、製品の品質・信頼性・コスト削減に多大な価値を生み出しています。
2. “丸めるだけ”じゃない、カーリング加工の真髄
カーリング加工とは、薄い金属板をプレスなどで円筒状や半円状、複数の立体形状に正確に成形する技術です。
一見単純ですが、
◎ 極薄板(0.05mm以下)や極小径(0.5mm以下)での形状再現
◎ 複雑な二重・連結カーリングや側面穴あき
◎ 強度バランスや寸法安定性の確保
◎ 異形部・多段連結部品での不良極小化
今回は【第1部】 精密板バネ加工の真髄!カーリング加工の基礎・用途・材料選定と機能美というテーマです。
1. カーリング加工がもたらす“隠された力”
スマートフォンや医療機器、自動車部品、OA機器、家電製品など、現代社会を支える先端機器。その内部では、目立たない小さな金属部品が高い精度で機能しています。
この目立たない部品の多くを支えるのが「カーリング加工」。
一枚の板金を美しく丸め、精緻な形に成形するこの技術は、見た目以上に高度で奥深いものです。
設計・材料・金型・加工現場のノウハウを結集するカーリング加工は、製品の品質・信頼性・コスト削減に多大な価値を生み出しています。
2. “丸めるだけ”じゃない、カーリング加工の真髄
カーリング加工とは、薄い金属板をプレスなどで円筒状や半円状、複数の立体形状に正確に成形する技術です。
一見単純ですが、
◎ 極薄板(0.05mm以下)や極小径(0.5mm以下)での形状再現
◎ 複雑な二重・連結カーリングや側面穴あき
◎ 強度バランスや寸法安定性の確保
◎ 異形部・多段連結部品での不良極小化
など、課題が山積みです。
【代表的なカーリング形状と用途】
◎ 円筒型:モーター軸受け、電気接点端子
◎ 半円・C型:コネクタ部、シャッター部品
◎ しずく型・たわら型・メガネ型:精密連結部、医療用カテーテル部品、時計内部パーツ
これらを可能にしたのは、洗練された設計技術、CAE解析を使った加工工程設計、微細金型の制作力――全ての分野の現場知見の総合体です。
3. カーリング加工部品が活躍する領域
カーリング加工品は、以下のような多様な製品に不可欠なパーツとなっています。
スマホ・タブレット:コネクタ・バイブレータパーツ・カメラ用精密ガイド
◎ 医療機器:カテーテルの極細ガイド筒・センサー外筒
◎ 自動車・EV:精密コネクタ外周・高剛性バネ部品・センサー端子
◎ 筆記具・腕時計:精密ペン先・ムーブメント
◎ 光学・AV機器等:レンズアクチュエーション部、マイクロシャッター等
これら現代製品の高機能化、小型化、長寿命化を陰で支えているのが、カーリング部品の精度・形状自由度といえます。
4. カーリング加工に適した材料の選定
◎ アルミニウム
軽く、柔軟性と耐食性に優れ、微細・複雑形状でも成形しやすい。
一方で表面の傷・歪みや加工皺対策など細やかな管理が必須です。
◎ 鋼・ばね鋼(SPCC、SUS631など)
強度・バネ性・耐摩耗性に優れた代表的材料。
ただし薄板や急曲げではスプリングバックや割れ対策に高度な設計・工程工夫が問われます。
◎ ステンレス鋼(SUS304、SUS301ほか)
医療系や耐環境機器に多用され、ばね性・耐食性・高剛性に優れる。
加工硬化しやすいので極小径や複雑形状の際は金型設計が重要。
◎ 銅合金・ベリリウム銅・純ニッケル
高導電・高バネ性必須な電子・通信用途向け。
多様構造でも歩留まり良く安定供給できる材料選定は顧客の要求細部に合わせ最適化します。
5. 設計・金型・現場の連携で進化したカーリング加工
設計初期から「曲げ半径・板厚(t/d比)」「真円度・同軸度」「形状勘合精度」を数値目標として設定し、金型も最新のカム・スライドや微細パンチなど進化を重ねてきました。
工程分割・現場フィードバックをフル活用したプレス加工・仕上げノウハウこそ、日本の製造業の粘り強さそのものです。
6. キョーワハーツのカーリング加工ー独自技術と豊富な実績
キョーワハーツは、精密板バネ加工を手掛ける製造業として、「微細・精密・複雑」なカーリング加工に特化し、培った技術と経験は業界随一と自負しています。
◆ 超微細・精密への飽くなき挑戦
板厚0.05mm(曲げ可)0.03mm(抜き可)、板厚0.06mmの接点バネ等の加工
最小丸め径φ0.45mm×t0.12mm、φ0.82mm×t0.08mm、φ1.0×t0.15mm等の極小丸め加工
真円度0.03mm/同心度0.02mm、複数穴付きやメガネ型など複雑形状でも高精度の安定量産
◆ 金型・工程ごとの独自工夫
極小丸めのワークずれ防止、先端密着制御、心金レスでの多方向高精度
異径部の同軸・多段丸め・送りミスや座屈防止・折損しにくい薄肉パンチ製作
連結カーリングや360°カシメ、カム機構の工夫で多様な構造も安定量産へ
◆ コストダウンとフレキシビリティ
開発初期~設計・試作・量産一貫サポート(ポンチ絵レベルでもご相談OK)
切削→プレスへの工法転換、大幅コストダウン事例も多数
SUS各種、ニッケル系、コバール・42アロイ・銅合金・SPCC・SECC・マグネシウム等豊かな材料対応力
7. 製造業の未来を切り拓くカーリング加工技術
IoTやモビリティ分野、医療・通信・電子分野での需要増に伴い、「より小さく」「より複雑」「より安定した量産」の実力勝負へ。
プレス・金型・加工・材料と工程最適化のノウハウは、日本の“ものづくり”をけん引しています。
8. まとめ・次回予告
カーリング加工は「自己完結型」ではなく、“設計・材料・金型・加工・現場力”の総合力でしか解決できません。“図面上の不安”や“コストの重荷”を感じたら、キョーワハーツの現場スタッフにぜひご相談ください。
次回は「なぜカーリング加工は難しいのか?」をご紹介。最大の課題であるスプリングバック、極小・極薄・複雑構造への現場技術、実際の失敗→改善事例など、設計・生産現場でのリアルな知見を深掘りします。
製品事例集もご覧ください
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最後までお読みいただきありがとうございました!