シンガポール、タイにアメリカ・ドイツ・日本のメーカーが工場を設置しましした。

タイの日系注射針会社の工場は綺麗な芝生に囲まれた平屋のとても綺麗で大きな工場です。

タイ語と日本語で「芝生に入るな!危険」と看板が立っています。

理由を聞くと猛毒のコブラが多量に生息しているからだそうです。

工場整地の際に大量のコブラを捕獲して数台のトラック二台に満載にして廃棄したのですが、きりがなく、全部除去することが不可能な状態だったのであきらめて芝生は植えたけど入ることが出きない状態で警告の看板を立てたそうです。

私はコブラを見かけませんでしたが。注射器は市場の近くで生産するという考えでアジア圏への供給という目的でタイ、シンガポール、マレーシアに工場を持っていました。

BECTON DICKINSONは米国企業で世界最大の注射器メーカーです。

B.BROWNはドイツの企業です。各社から日本のステンレスは注射針の生産に適していると良い評判を頂きました。

日本材を用いると多少単価は高いかもしれませんが生産歩留まりが高く、結果として経済的です・注射倍の製造に適したステンレス鋼は綺麗な溶接ビードの形成と高い限界引き抜き性です。

これはステンレス材料の非金属介在物成分の制御技術と優れた加工伸び性がポイントです。

日本の材料がたまたまマッチングした訳ではなく、世界レベルの日本の注射針メーカーと日本のステンレスメーカーが歩んできた成果です。

成分設計他注射針を製造することを前提の製造技術・品質管理・取り扱い管理をした材料です。

一方外科手術用メスは高度な切れ味を要求される刃物であり、殆どの企業が自国で生産をしています。

日本で刃物といえば岐阜県の関市が有名でメスの生産量も日本一です。

メスの刃も使い捨てディスポーザブルで施術前に刃先を研ぐことは有りません。

切れ味が悪くなれば刃を交換します。

持ち手のハンドル部のみ共通で手術の技法に適した形状のメスが多種類用意されています。

ステンレス製と炭素鋼の二種類があります。どちらも焼き入れ焼き戻し後刃付けされていますが防錆油は使われていません。

油の人体への影響を考慮しているためです。

そこでステンレス製刃物が使われています。医師によっては切れ味の違いから炭素鋼の焼き入れ刃を好む人もいます。

特にドイツ製のメスでは炭素鋼の製品が多いです。通称青刃と呼びますがこれは焼き入れ焼き戻し時のテンパーカラーの青です。

ステンレスはモリブデンを含有した高炭素鋼でJIS規格のSUS440に類似した鋼が使われています。

焼きれ性向上と耐食性を向上させた特殊刃物用ステンレスです。

メスについては世界で日本製とドイツ製が普及していました。製造元は日本だと関市、ドイツだとSolingenゾーリンゲン市ですね。

どちらも何度か訪問していますがゾーリンゲン市の方が人口15万人規模の大きな町で色々な品種の刃物製造業者と販売店、金属問屋が点在していました。

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